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■『戦旗』1614号4-5面 六月アジア共同行動の成功を AWC運動の発展をかちとろう むろき なお 「日米のアジア侵略支配に反対するアジアキャンペーン(AWC)」は、自衛隊が初の海外派兵をカンボジアPKO派遣という形で強行した一九九二年一〇月に発足し、三年後の一九九六年に第二回総会を行った。その時に、国際ネットワークとしてのAWC運動と結合して日本における闘いを推進するための幅広い連絡組織として「日米のアジア支配に反対し、アジア民衆の連帯を推進する日本連絡会議」(略称:アジア共同行動(AWC)日本連絡会議)が正式に発足した。 初代の共同代表は、総評・全国金属・規模別運動の労働運動の闘士であり、AWCの前身であるJPM90の代表世話人であった京都の小城修一さん、社会党元衆議院議員であり、安保闘争の闘士であった東京の斎藤一雄さん、そして戦争責任・戦後補償実現の闘いとともに各国民衆運動の歴史を学ぶことを重視して常に若者に語りかけてきた山口の白松哲夫さんの三名が就任した。 結成以降二六年間、アジア共同行動日本連絡会議は、日本におけるアジア共同行動運動の担い手として闘い続けており、AWC日本連の中心的な国際連帯行動として、一九九八年から毎年、AWC参加国・地域から活動家を招請して六月アジア共同行動を各地で開催してきた。三年目となったコロナ禍が未だに収束しない中で、海外からの招請はできないが、今年も各地で六月アジア共同行動をともに準備し、意義あるものとして成功させていこう! ●1章 AWC日本連の昨年度の闘い アジア共同行動日本連は、今年三月に第二七回総会を開催した。ちょうどコロナ・オミクロン株による感染が猛威を振るっていた時期のため、参加者の半分はリモート参加となったが、二〇二一年度の活動総括、二〇二二年度活動方針及び体制作りを主な議題として進められた。この総会を通して昨年度の闘いを簡単に紹介しておく。 総会の冒頭に、参加者はAWC運動の二人の先達のために黙祷した。一人は、今年一月に逝去された初代共同代表であった小城修一さん、もう一人は、同じく二月に逝去されたフィリピンBAYANのリタ・バウアさんだ。 小城さんは、アジア共同行動日本連の初代共同代表を十数年にわたって担うとともに、AWC韓国委員会初代代表の李壽甲さん、フィリピンKMUのクリスピン・ベルトラン議長と一緒に、国際ネットワークであるAWCの初代国際共同代表をも務められた。日本の戦前の労働運動が日本帝国主義のアジア侵略戦争を食い止めることができなかったこと、その過ちを二度と繰り返さないために日本の労働者・民衆の国際連帯が重要であることを、常に闘いの先頭で語り、実践されてきた。 リタ・バウアさんもまた、AWC運動の草創期からフィリピンBAYANのアジア太平洋地域の民衆運動の連帯関係担当として日本連と連帯してこられた。お二人ともAWC運動の出発と発展に限りなく尽力した方々だった。草創期を担った共同代表の多くはすでに鬼籍に入られた。私たちはその闘いを記憶し、継承していこう。 今年の総会では、AWC日本連の二〇二一年度の活動の総括として、以下の諸点が確認された。第一に、コロナ禍の中での二年目の活動であったが、年間を通じて、AWCを各地で担う仲間が直接に、またリモートでも顔を合わせて運動を作ってきたことだ。昨年に続き海外との往来は完全に断たれたままだったが、AWC加盟の海外諸団体とも様々な形で連帯を維持してきた。今年二月の第一回AWC国際オンラインフォーラムでは四カ国がインターネットを通じて集まり、韓国とフィリピンからの報告を共有することができた。 第二に、二〇二一年は、対中包囲網づくりのために同盟関係を強化するというバイデン政権の成立に伴い、日米、あるいは日米を軸にした多国間の軍事同盟化がさらに進行し、またそれに対応した日米、多国間の恒常的軍事演習、さらに陸自大演習のような実戦的な自衛隊大規模演習が行われた。このような中で、AWC日本連は米大使館前での米韓軍事演習抗議行動(三月、八月)、Xバンドレーダー基地反対運動呼びかけの街頭での米韓軍事演習抗議行動(八月)、また秋の陸自大演習では九州・山口での抗議スタンディング(一〇月)などに取り組んだ。 第三に、昨年度に引き続き、反核・反原発の日韓の連帯関係の継続的な発展を実現した。日本側の老朽原発問題や原発裁判の報告をした第一回に続き、八月には第二回のオンライン学習会を持ち、韓国反核運動の歴史と最近の動向を韓国側が報告した。韓国資本や原発マフィアと対決しきれない文在寅政権の実態や、韓国の反核・反原発運動がめざすものや運動の価値観について意見交換も行われた。 第四に、AWCユースが切り拓いてきた、入管闘争や在日朝鮮人・韓国人差別との闘い、トランス女性差別などセクシャルマイノリティ差別反対闘争などの学習や実践は、入管法改悪を阻止した全国的な高揚に寄与し運動面でも大きな成果を収めたと共に、AWCユースへの新メンバー獲得にもつながった。そしてAWC運動がそれまでほとんど取り組んでこれなかった領域が青年たちの努力でAWC運動の中に組織された。 第五に、二〇二一岩国行動については、日米の対中包囲網づくりの中で「ハブ(中軸)基地」としての岩国基地の役割が拡大していることを実感し、岩国市民と共に在日米軍基地・自衛隊の強化に対して、佐世保や宮古からの報告を共に確認する闘いとして闘われた。この岩国行動は岩国労働者実行委に参加する労働組合との共同主催として一五年にわたって闘われてきた。今年に入り四月二五日には、佐世保基地オンライン学習会が行われ、岩国行動を通じた各地の反基地運動との交流・連帯・共闘を進めている。 ●2章 六月アジア共同行動が直面する情勢と課題 ▼2章1節 ウクライナ戦争の中で何が問われるのか 二月二四日に開始されたロシアによるウクライナへの軍事侵攻に対して、AWCは、三月三日付の声明の中で、以下のように訴えた。 「ウクライナ人民を殺戮し、その生活を破壊し、その自己決定権を蹂躙するロシア政府を私たちは弾劾し、即時の停戦、ロシア軍の即時撤収を要求する。同時に、今回のロシアによるウクライナ侵略戦争が、ヨーロッパにおける欧米・ロシアの間での勢力の拡張/浸食をめぐる帝国主義的な争いの中で、その一環として勃発したことを忘れてはならない。欧米・NATOは『正義の味方』などではない。米国政府は、第二次大戦以降も、朝鮮半島、ベトナム、アフガニスタン、イラク、シリアなどでの侵略戦争、パレスチナ人虐殺を繰り返すイスラエルへの支援など、全世界民衆の自由と民主主義と人権を蹂躙し、殺戮してきた。また、これらの戦争に加担してきた日本を含む米国の同盟諸国にもロシアを批判する資格はない」。 「このように、NATO側もロシア側も、軍事力と核兵器によって覇権を争うことからは何も生み出されず、問題解決の道も遠のくばかりだ。即時の停戦により、外交と対話による問題解決の途に就く以外に選択肢はない」。 この間、日本政府による官製ウクライナ支援運動が作られていく中で、ウクライナ反戦運動の出発点が、「どちらの国家を応援するか」という問題に捻じ曲げられることに反対して、国境を越えて、戦争の中で被害を受ける民間人、とりわけ労働者や農民や被差別民衆の立場から、この戦争の即時停戦を訴えてきた。AWC運動も、多くの左派的な人々とともにその一翼を担ってきた。 だが、現在三カ月が経過しようとする時点で、欧米諸国からの軍事援助の拡大により、この戦争の終結はますます遠のき、戦争は長期化・激化の一途をたどっている。四月二六日にドイツで開かれたウクライナ軍事支援会合を受けて、バイデン米大統領は四月二八日に三三〇億ドル(約四兆三〇〇〇億円)の追加予算の承認を連邦議会に求めると発表した。他方で「アメリカがロシアを攻撃するわけではない」と強調したと報道されているが、米国が直接にロシアを攻撃しないのは、アフガニスタンから撤退を余儀なくされたと同様、これ以上、米軍の死者が出れば米国内からの批判にさらされ自らの政権が危うくなるからに過ぎない。軍事援助によって肥え太るのは米国の軍産複合体であり、それによってますます戦争がエスカレートして犠牲を被るのは他ならぬウクライナの民衆であり、ロシア兵である。また日本政府のような人道援助の皮をかぶった防弾チョッキや防毒マスク、ドローンの援助もなんら免罪されるものではない。 AWC韓国委員会は、四月六日東京のアメリカ大使館前での米韓合同軍事演習抗議行動に寄せた連帯メッセージ「戦争演習の代わりに平和を語れ!」の中で、「外見はロシアとウクライナの間の戦争だが、内容としてはヨーロッパ連合とアメリカ対ロシアの新冷戦の一つの形態だ。今回のウクライナ戦争は朝鮮民主主義人民共和国・中国・ロシアと日本・米国・韓国との間に形成されてきた新しい冷戦秩序をより一層強化させて軍事的緊張を高めている」と弾劾した。 今こそ、労働者・民衆の立場に立った反戦運動を、街頭で、職場で、学校で、地域で広げていかなくてはならない。六月アジア共同行動を、このような労働者・民衆の立場に立ったウクライナ反戦運動と結びつけて取り組むことは重要である。 そのために私たち日本帝国主義足下の労働者・民衆は、ロシアによるウクライナ侵略戦争を利用した日本の戦争国家化の画期となる強化と全力で闘っていかなくてはならない。日米軍事同盟、さらに日米韓の軍事同盟の強化と闘い抜く、日常的な宣伝活動や街頭活動を作っていかなくてはならない。 長期化するロシアのウクライナ侵略戦争という情勢の中で、NATOのみならず、アジアにおいても対ロ・対中・対朝の包囲網づくりが激化している。そしてこのような日米韓軍事同盟作りは、現在すでにそうであるように、日常的とも言える二国間、多国間の合同軍事演習が、ほぼ一年を通じて行われ、それが野戦演習であれ、コンピュータ演習であれ、きわめて実戦と区別がつかない演習として展開されている。直接的な戦争圧力である軍事演習の全面中止を求める大衆的行動を、全国で広範な人々とともに作っていこう。 ますます進むであろう軍事同盟作りは、沖縄をはじめ全国の軍事基地の拡大・強化や、基地周辺の住民に被害をいっそう押しつけるものだ。5・15「復帰」五〇年を問うAWC沖縄派遣団をともに成功させよう。また、原発が戦争の標的となったにもかかわらず、戦時のエネルギー確保という口実のもとに老朽原発の再稼働とさらなる寿命延長が日本でも韓国でも共通の攻撃として強まっている。私たちは、軍事同盟と戦争演習に反対する大衆的な街頭行動と、反基地、反原発運動をしっかり結びつけて闘っていこう。 ▼2章2節 日米韓の軍事同盟の強化と軍事演習に反対して闘おう ロシアのウクライナ軍事侵攻が始まったとき、岸田政権はこれを止めるための意味ある努力を何一つ行わず、ただ一つの文句を繰り返した。「武力による現状変更の試みは決して容認できない」と。これがいわゆる「台湾有事」を想定した対中国包囲網づくりを念頭に置いた発言であることはもちろんだ。あわせて朝鮮民主主義人民共和国を敵国と見なしての朝鮮半島有事を煽る発言でもある。この延長上に、「敵基地攻撃能力」の保有をめざそうとしている。日本帝国主義・岸田政権にとって、ウクライナ戦争とはそういうものなのだ。 私たちは、NATOの東方拡大がロシアのウクライナ侵略を引き起こしたことを批判すると同時に、ロシアのウクライナ侵略戦争への対応を口実にして、アジアにおける日米安保の拡大強化がもくろまれていることに強く警戒する。その一つは次項で扱うクアッド(日米豪印戦略対話)であるが、もう一つはこの間一貫して追求されてきた日米韓の三角軍事同盟の公然たる強化である。 日米韓軍事同盟作りの、残された最後の環と言われたTHAAD韓国配備と韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結を朴槿恵政権末期のどさくさの中で日米帝国主義は強行した。この間、日米帝国主義のこの試みを一度は締結の撤回によって押しとどめたのは、二〇一六~一七年の韓国ろうそく革命に至る韓国の労働者民衆の闘いであった。しかし、今回の大統領選で0・7ポイントの僅差で当選した、最大野党「国民の力」の尹錫烈(ユン・ソギョル)は、候補時代からTHAADの本配備、そしてGSOMIAの維持を公言してきた。 それだけでなく、尹錫烈次期大統領は、韓国労働者民衆の公然たる敵として登場した。大統領選の結果について、韓国民主労総は次のように声明を発表している。 「憂慮されるのは、当選者が選挙期間中に言葉と行動で表わした嫌悪と対立の表現であり、これが助長されることだ。(中略)(尹錫烈次期大統領が)民主労総など労働界と市民社会の政策質疑に応じないので具体的な労働政策と公約をきちんと把握できないが、選挙期間に尹錫烈候補の口から出てきた労働に対する無知と労働組合に対する嫌悪に基づいた『罵詈雑言のオンパレード』は、直ちに今日から労働者民衆の暮らしがより一層苦しくなることを予想させ、状況はきわめて惨憺たるものだ」。 五月一〇日には大統領就任式が行われる。「前のめり感を出さないほうがよい」などという浅ましい理由で大統領就任式への不参加を表明した岸田政権だが、いずれにしても新政権の成立とともに、米帝の思惑のもとで日米韓の軍事的連携は一層進められるだろう。 韓国の「平和と統一を開く人々」は、四月に強行された韓米合同軍事演習に対して、以下のような共同声明を発している。 「文在寅政権の朝鮮半島平和政策と成果を全面否定した尹錫烈次期政権は、しかし、文在寅政権の力による平和政策だけは金科玉条的に継承する格好だ。同氏は、文在寅政権の韓米同盟と拡大抑止(いわゆる「核の傘」)に対する行き過ぎた傾倒でもまだ足りないとばかりに、韓米同盟の強化と拡大抑止を強調している。彼が大統領選挙公約として掲げた韓米同盟の包括同盟化は概念が曖昧だが、価値的・多者的・機能的・領域的・地域的安保領域を網羅する重層的目的と任務を持つ同盟を意味するものと見られる。韓国軍が海底から宇宙まで、朝鮮半島から太平洋・インドを越えて全世界へ、双務的同盟関係から多国間同盟関係へ、通常戦力から対テロ戦やサイバー戦へ、(市場)価値を守るための戦争まであらゆる軍事分野にわたって任務を持つようになり、これを遂行できる戦力を備えることを要求する。一言で言って、米国を追いかけ後押しするために無限大の任務と軍備を整えようということだ。しかし、その道に朝鮮半島の平和と民族の繁栄と統一が定着できる余地は全くない」。 AWC韓国委員会は、今年の京都地域メーデーに送った連帯メッセージの中で、「新冷戦体制の下、各国は軍事力を強化しています。二〇一八年の南北首脳会談、朝米首脳会談で朝鮮半島の平和を期待しましたが、南北いずれも軍事力を増強しており、中国と米国も東アジア地域において軍事力を集中しています。日本もまた同じです。言葉では平和を叫びながら、内心では銃剣を準備しているわけです。戦争演習をしながら平和を語ることは嘘です。戦争を準備した分だけ殺傷と破壊が起こるということが人類の戦争の歴史の中で確認されています」と強く批判している。韓国民衆と連帯して、日米・韓米・日米韓の軍事同盟強化、軍事演習の日常化と闘っていこう。 ▼2章3節 バイデンの訪韓・来日とクアッド首脳会議に反対する このような情勢のもとで、五月二二日に米大統領バイデンが日本を初訪問し、日米首脳会談とクアッド首脳会議が、それぞれ二三日と二四日に東京で開催される。クアッド会議は、日・米・豪・印の安保戦略対話であり、日米安保をオーストラリアとインドを巻き込んで対中国包囲網として拡大しようとするものである。言い出しっぺは安倍元首相であった。また韓国の尹錫烈次期大統領は、クアッドへの参加を希望しているという。 今年五月クアッド日本開催・バイデン初来日・日米首脳会談阻止闘争から、来年二〇二三年前半のG7サミット日本開催に対する阻止闘争を、日米帝国主義を軸にした強盗会議に対して、反帝国主義とプロレタリア国際主義の大衆的な国際共同闘争として闘い抜かなくてはならない。ほんの一握りの人々の利害によって、世界の労働者、抑圧された民衆の生活を破壊し、命を脅かす、帝国主義諸国の会議が日本で開催される時に、声を上げていく闘いを準備していかなくてはならない。今年から来年にかけて、コロナ禍が収束するか、さらに拡大するか、予測はできないが、日本での闘いをアジア太平洋の闘う労働者、民衆に発信していかなくてはならない。 その中で、私たちは、バイデンが代表する米帝国主義への批判を強めるとともに、自国帝国主義である日本帝国主義岸田政権に対する闘いを、はっきりと提起していく必要がある。原爆を実戦で使用した唯一の国家は米国であり、現在のウクライナ侵略でロシアが犯している戦争犯罪の数々は、米帝国主義が世界大戦や朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争の中で平然と実行したものだ。もちろん、日本軍性奴隷制度の被害者たちや元徴用工の人々が人生をかけて訴えた歴史の真実さえも「嘘」だと否定しているような日本政府にロシアを批判する資格はまったくないのだ。 すでに首都圏では、AWCの仲間も参加して「クアッド日本開催・岸田―バイデン会談反対!実行委員会」が発足している。 同実行委の趣意書では、「ロシアのウクライナ侵攻の要因となったNATOの東方拡大が、ユーラシア大陸の西で進められてきました。ユーラシア大陸の東で進められてきたのが、クアッドによる対中包囲網の形成です。二〇二〇年から四カ国合同軍事演習が行われ、英仏などとの軍事演習・軍事協力も進んでいます。中国を『サプライチェーン』から排除する『経済安保』も進めています。(中略)韓国の新政権は、クアッド参加を志向しています。バイデン大統領は、来日に続き、訪韓するとも報じられています。こうしたことは、東アジアの緊張激化を招かずにはおきません。(中略)岸田政権は、バイデンとの会談で、今まで以上に日米安保を強化し、南西諸島(琉球弧)の自衛隊増強、敵基地攻撃力保有、GDP2%への防衛費増額など、大軍拡を約束すると思われます。岸田政権は、今国会で経済安保推進法を成立させようとしています。刑法改悪も進めています。参院選後は、戦争を利用して加速させてきた改憲への動きをさらに加速させることは必至です」と、クアッド会議の日本開催の目的を強く批判している。 同実行委員会は、五月七日に発足集会を開催し、バイデン来日当日である五月二二日には、「開催するな!クアッド(日米豪印戦略対話) やめろ!岸田・バイデン会談 南西諸島(琉球弧)を戦場にするな! 日米韓軍事一体化反対! 煽るな!戦争 5・22新宿デモ」を予定している。また東京現地での闘いに呼応して、関西でも五月二二日の京都デモが決定され、また大阪での米総領事館前行動などが予定されている。また国際ネットワークとしてのAWCのクアッド反対共同声明も追求されている。 クアッド日本開催に反対する声をあげ、東アジアの緊張激化、日米安保強化、軍拡・改憲を阻止しよう! ●3章 六月各地集会を支え、AWC運動を発展させよう 今年の六月アジア共同行動は、以上のような情勢の中で闘われる。現時点では六月二六日にAWC首都圏の主催で東京集会が、AWC京都の主催で京都集会が、AWC九州・山口の主催で福岡と山口を結ぶリモート集会が、それぞれ開かれる。九州・山口集会では、ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会事務局長の清水早子さん、京都集会では、韓国サンケン労組元委員長のキム・ウニョン民主労総副委員長から、それぞれリモートで講演を受けることが計画されている。六月アジア共同行動各地集会を、新たな仲間の参加を得て成功させるために全力を尽くそう。 とりわけても、ウクライナ戦争を利用して日本国内でも演出され、強要されていくであろう「戦時的」状況下で、階級矛盾を押し隠し、労働者民衆を分断する差別・排外主義攻撃が強まるだろう。重要なことは、強まる差別・排外主義に対して、戦線や運動課題の違いを越えて共同で反撃することだ。 どこでも「若者がいない」という声を聞くが、昨年来、滞日外国人の生存を脅かす入管法改悪と、入管体制そのものを解体していく闘いの先頭には、AWCユースの若者たちが立ってきた。この資本主義と帝国主義の社会で苦しみ、この社会の根底的変革を切望する若者たちは実際に存在している。私たちが出会い、結びつき、ともに闘う努力をしていかなくてはならない。とりわけても、差別・排外主義との多様な闘いを通じて、新しい世代の立ち上がりとしっかりと結びついていくことが重要だ。新しい世代と結合していく、これらの課題は、良心的に原則的に活動している労働運動や市民運動の共通の課題として押し出していくべきものだ。そのために、日々の共同闘争の中でいろいろな工夫をしていくとともに、何よりも新しい世代の声に耳を傾け、ともに議論し、実践していく機会を作り出していく必要がある。六月アジア共同行動をそのような機会として成功させていこう。 |
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